<陵辱 第4話>
ハンナは胸を反らし、体を震わせながら、荒れ狂う快感の濁流に翻弄されていた。
兵士に突き上げられる度に、奥の方からゾクゾクと痺れるような劣情が湧き上がり、
足のつま先から、頭髪の一本に至るまで、抗いようの無い強烈な快感に蹂躙されていく。
感じてはいけない、求めてはいけない、そう思えば思うほど、感じ、求めずにはいられない。
それは、夫との時とはまるで違う、背徳の快感だった。
ハンナの反応は、フォーリング・ダウンの効果が顕著に現れている証拠だった。
これを与えられた女が感じる被虐の感情は、全て性的興奮へと変換される。
よって、このように強姦等によって強い羞恥や劣情を与えながら犯す事は、
この媚薬の効果を最大限に発揮する為の、最も適している方法と言えるだろう。
「おらっ!どうだ!奥まで届いてるぞっ!
お前の子宮口が俺のに当たって、コリコリいってやがるっ!」
「うっ…くあっ!ああああっーーーー!!」
蛙のような格好で大きく足を開かされ、無様に犯され続けるハンナ。
複数の男達に両手両足を押さえつけられながら、激しく体を揺さぶられている。
しかも、愛する夫の目の前でである。
積み重なった劣情は媚薬によって増幅され、ハンナの体、そして精神を翻弄した。
ああ、そんな…
無理やりされてるのに…、私…
ハンナの体と精神の混乱は、続いていた。
酷い事をされて、悲しい思いをするほど、惨めな思いをするほど…
たまらなく切なくて、気持ちいい…
私の体は、一体どうなってしまったというの…
さっき、兵士は薬がどうとか言ってなかったか…
悲しい思いをすると、あそこが熱くなって、きゅうぅっと切なくてたまらない。
これは、その薬とやらの効果なのか?
「くぅっ!…っああ!!」
ハンナは、頬を紅潮させながら、歯を食いしばって耐えた。
ほんの一瞬でも気を抜いただけで、絶頂を迎えてしまいそうになる。
だが、それは既に引き返す事が出来ない所まで来ていた。
悪魔の薬を与えられた者に、選択肢は無かった。
自分の望む望まないに関わらず、到達する先は同じなのだ。
「おいおい、この女、もういっちまいそうだぜっ!」
順番待ちの帝国軍兵士達の間に、笑い声が起こった。
後ろの兵士達が、身を乗り出してハンナの反応を見ている。
にやつき、下品な笑い声を止めない、帝国軍兵士達。
ハンナの痴態を食い入るように見る兵士達の顔に、明らかな嘲笑が見て取れた。
うう…気づかれてる…
悔しい…
惨めすぎる…
そして何よりも、女として恥ずかしい…
あの瞬間だけは…。
あれだけは、迎えさせられたくない…
駄目…それだけは…それだけは、駄目っ…!
それに、あの人の…愛する夫の前でだけは…!
しかし、それをやってしまった時に味わうであろう、悲しさ、惨めさが、
今となっては甘美な果実のように感じられた。
その果実にかぶりつき、全身でその甘美な果肉を味わえたとしたら…。
それらの悲惨な劣情は、どれほどの快感をもたらしてくれるのだろう…。
そこまで考えた時、ハンナの中で何かがパッと弾けた。
そして、抑える事の出来ないゾクゾクした負の快感が湧き上がった。
あそこがきゅううぅっと収縮し、切なくてたまらない。
ああ、もうっ…!
「うう…はああっ!はああああああああーーー!」
兵士達はハンナの反応を確認すると、今まで押さえつけていた両手と両足から手を離した。
そしてその直後、ハンナはその時を迎えるのを覚悟した。
もう…だ…めっ!
私っ…!
「ああっーー!だ、だめええぇっーー!!」
ハンナは自分を犯す兵士に体を預けると、自由になった両手を男の背中に回した。
そして自ら足を思い切り開いて腰をぐっと押し付け、更に性器を僅かに前に突き出す。
最後に自分を貫く物を最深部まで導くと、膣をぎゅっと締め付けた。
男の膨張した先端を膣がぎゅうっと締め付け、子宮口に密着させる。
「うっ!くううううぅぅっ…!ああっあああああっーーー!!」
ハンナは、抑える事の出来ない快感の声と共に、絶頂を迎えた。
悲しみの涙で、頬を濡らしながら。
その瞬間、悲しみ、惨めさ、あらゆる劣情が爆発し、外に向かって膨張していった。
ハンナは胸を張り背中を大きく反らせると、ビクンッ、ビクンッと2度大きく痙攣し、
その後はがくがくと全身を細かく痙攣させた。
大きく開かれた口から、舌までもが快感に細かく震えているのが分かる。
ハンナは帝国軍兵士の全てを受け入れ、全身で被虐の快感を味わった。
ハンナにとって、悲しみの涙と共に絶頂を迎えたのは、これが初めてだった。
そして、それは被虐の快感の虜になった瞬間でもあった。
一度この絶頂を覚えた女は、二度とその強烈な快感を忘れる事が出来ないのだ。
「おい、この女、亭主の前で犯されてイッてやがるぜっ!
俺のをぎゅうぎゅう締め付けて、びくびく痙攣させてやがる!」
「薬を使ってるとは言え、すげえ絶頂の迎え方だったな!
敵兵士に犯されてるってのに、薬だけでこんなになっちまうのかよ!
ははっ、亭主が哀れだねぇー!」
ハンナを取り囲む帝国軍兵士達の中に、どっと笑い声が起こった。
絶頂を迎えてしまった事による深い悲しみと後悔に、心臓が押し潰されてしまいそうだった。
辛くて、辛くて、涙でぐしゃぐしゃになりながら、嗚咽を漏らすハンナ。
悲しいと思えば思うほど、惨めだと思えば思う程、負の快感は増幅されていった。
そして、自分の体の方は、いまだに快感にびくびくと痙攣を続けていた。
美しい丘陵を成す乳房の先端は硬くしこり、触られると痛いくらいだった。
「うう、ううああああぁ…!う、うう…ううううううぅぅあああっ…!」
自分の不甲斐無さに、号泣するハンナ。
薬を使われたとはいえ、帝国軍兵士に犯されて絶頂を迎えてしまうとは。
しかも、愛する夫の目の前でである。
自分の中で、何か大事なものが失われたように感じられた。
それも、決して失ってはいけないものを。
ハンナは、胸が張り裂けそうな思いだった。
「わ、私…。ごめんなさいっ!ごめんなさい、あなたぁっ…!」
先程まで唖然としていた夫は、今はただうな垂れ、足元をじっと見て動かない。
愛する妻を目の前で犯された男の心情は、いかなるものか。
永遠と誓った妻への愛は、帝国軍兵士達に陵辱された後でも、
以前と同じように保てるのだろうか?
それとも、永遠の愛情は、妻への失望へとかわるのだろうか?
「心配すんなよ、亭主の代わりに、俺達が順番で可愛がってやるからよっ!」
「そうそう、あの薬使われちゃあ、こうなっても仕方がねえって!」
返事の無い夫の代わりに、帝国軍兵士達によって浴びせられる言葉が、
更にハンナの心を切り刻む。
もう、愛する夫のいる方向を、見ることも出来なかった。
ただ、鉛のように重い冬の寒空を見上げながら、悔恨の涙を流した。
「おい、これからは、いくときはちゃんと言うんだぞっ!
今度黙っていったら、お前のへたれ亭主の首を刎ねてやるからな。
それが嫌だったら、ちゃんといくって言うんだぞ!」
「うう…は、はい…。」
ハンナは、ただ言いなりになる他は無かった。
もう、堕ちてしまいたい…奈落の底まで…
一番底まで堕ちて、何者でも無くなってしまいたい。
妻でもなく、人でさえなくても構わない。
何もかも捨てて、ただ、言いなりに成るだけの道具でありたい。
もう、何も考えたくなかった。
とその時、ズンっと一際深く肉棒が突き刺さった。
どろどろの割れ目を押し開き、膨張した先端が最深部の子宮口を直撃した。
「くっ!!あああああっ!!」
「おらっ!ぼーっとしてねえで、いい声で鳴けよっ!」
帝国軍兵士は、一番奥まで硬くなった肉棒を打ち込むと、その場所でごりごりと
硬く膨張した先端を擦り付け始めた。
まるで、押し上げられた子宮口を、そのまますり潰そうとしているかのようだった。
「ああっ!そんな、これっ!だ、駄目っ!!
さっき…………ばかりなのに…っ!こんなっ!」
いったばかりで敏感になっている所に、これである。
ハンナは、あっさりと敗北宣言をすることになった。
「あっ!もうっ!いくっ!いきますっ!
いくっ!いくっ!いくううっ!!」
再び大きく背中を反らせると、勃起した乳首を突き出し、絶頂の言葉を口にした。
体全体をゴムマリのようにびくびくと伸縮させ、強い快感に酔いしれる。
もちろん、杭に結わえられてうな垂れている夫にも、この声は聞こえているだろう。
だが、それを配慮する余裕は、今のハンナには与えられていなかった。
絶頂の声を上げても、肉棒の動きは止まらない。
ハンナの肉体と精神をすり潰すかのように、ゴリゴリと動き続けた。
「そ、そんなぁっ!ま、またっ!またいくっ!
いくっ!いくっ!いっくうううううぅぅっーーーーーー!!」
暗雲が垂れ込める冬のデイ・バレーで、犯される女達の悲しい叫び声が、
空しく共鳴し続けていた。