「被虐妄想 第5話(谷川礼子(29)の場合)」
「いってらっしゃいっ!」
礼子が笑顔で夫と娘を送り出したのは、つい2時間前だった。
結婚して7年、生活に不満は無かった。
だが、今は夫意外の男に全裸で組み伏せられ、
激しく突き上げられる度に、淫らな声を上げながら快感に身を焦がしていた。
まだ、時計は午前10時を少し過ぎたばかりである。
礼子の夫は一部上場企業に勤め、平均を大きく上回る収入を得ていた。
そして可愛い一人娘は、今年から希望通りの私立小学校に通い始めた。
順風満帆だった。
だが、礼子は何かが足りないと感じていた。
夫と娘を見送った後の、空虚な空間。
このまま、歳を重ねて行くだけの人生。
漠然とした不安…。
胸を焦がすような、熱い刺激を体が欲していた。
最初は、ほんの好奇心だった。
出会い系サイトで相手を探し、何人かと体の関係を結んだ。
そしてその中に、運悪く薬の売人がいた。ただ、それだけだった。
礼子はそこで薬の味を教えられてからは、坂道を転がり落ちるように
一気に転落して行った。
覚醒剤に溺れた女は、必ずSEXにも溺れた。
何十倍にも増幅された、強烈な快感…。
忘れる事など、出来るはずもなかった。
一度シャブの味を知ったら、絶対にその味を忘れる事は出来ない。
絶対にだ。
世の中に存在する数少ない"絶対"に、シャブへの依存は該当する。
幸運にもシャブ中毒から脱した者でさえも、死ぬ前にもう一度だけシャブをやりたい。
それが本音なのだ。
だが、礼子は後悔などしていなかった。
もちろん法律で禁じられており、発覚すれば逮捕される事は百も承知である。
だが、それは薬によって得られる快感を妨げる障害には、成り得なかった。
それほどの快感を、薬は礼子にもたらした。
「もう…だめっ…。もう我慢できないぃ…!」
礼子は四つんばいになると背中を反らし、男の目の前に尻を突き出した。
じっとりと濡れた性器と排泄器官が、男の目の前で露になった。
「あ~あ、普段は澄ました顔して上品な主婦演じてるくせに、
尻の穴丸出しで発情しやがって…みっともないと思わないのか?淫乱ママよ?
お前の肛門が何か欲しいって、パクパク言ってるぜ…?」
「お、お願いぃっー!ほ、欲しい!お薬ください!」
相手の男の名前は、鮫島。シャブの売人である。
礼子の体は、薬によって完全に鮫島の支配化にあった。
「今更、お薬だあ?そんなんじゃ、これはいつまでたってもお預けだな。」
「ああっ!そんなあっ!」
「欲しかったら、大声で何が欲しいのか言ってみろ!」
「うぅ…、シャ、シャブっ!シャブですぅっ!シャブくださいっ!!
お尻、お尻にびゅって、シャブ入れてえぇっ!」
言い終わると、礼子は顔を紅潮させ、目に涙を浮かべながら唇を噛んだ。
礼子は、これから薬で得られるこの世のものとは思えない強烈な快感を想像しただけで、
体を熱く火照らせ、性器から透明な汁を滴らせた。
礼子の敗北宣言を聞き終えると、鮫島は、バックから小さな醤油指しを取り出した。
キャップを取ると、その中の透明な液体を、礼子の肛門から一気に注入した。
約3分後。
腸内の粘膜から吸収された覚醒剤が、礼子の脳に到達する。
一瞬にして、礼子の頭の中に靄のようにかかっていた不安感が、消し飛んだ。
恐れ、不安、焦燥感、イライラ、全ての負の感情が、まるで今まで
存在していた事が嘘のように、消失してしまった。
今まで何について悩んでいたのかさえも、もう思い出せない。
今や完全な自由を手に入れた自分を拘束していたものは、いったい何だったのか…。
そして、そのうち何を思い出そうとしていたのかさえ、曖昧になる。
そしてそれとは逆に、五感は極限まで研ぎ澄まされた。
肌の産毛に触れる空気、温度の変化までもが敏感に感じられる。
全ての物がクリアに見え、視界は限りなく広い。
そして、何よりも礼子を虜にしたのは、圧倒的な快感だった。
巨大な津波のように押し寄せる快感は、礼子の理性や羞恥心を、圧倒的な力で
きれいさっぱり押し流してしまった。
まるで、それらは最初から存在していなかったかのように。
「き、気持ちいぃっ!シャブっ!シャブ気持ちいいぃっーー!!」
だらしなく開いた口から涎をたらしながら、歓喜の声を上げる礼子。
濁流のような快感が体中を駆け巡り、体中に生きる力がみなぎる。
礼子は、今の自分ならどんな事でも出来るような気がした。
何時間も続けて肉棒にしゃぶりつき、一日中SEXし続けて、
何百回でも絶頂を迎えられるような気がした。
そしてその時、鮫島の固いものが礼子を貫いた。
「くっ!くあああああっーーー!!」
体の奥まで、激しく突き上げられる快感。
薬なしの時とは、比べ物にならない。
体のどこを触られても、感じるようになっていた。
全身が性器になったかのような、感覚だった。
礼子は、その後イキまくった。
背中を大きく反らせて、大声で卑猥な言葉を連呼しながら。
足を大きく開いて腰をがくがくと激しく振る様は、普段の礼子からは想像できなかった。
「だ、だめぇっ!もう止まらないっ!いくっ!またいくぅっーー!!」
「ああっ!いくっ!また、またあああっーーー!!」
「気持ちいいっ!いいっ!チンポ!チンポぉっーー!!」
「だめ、またいくぅっ!オマンコ!礼子のオマンコいっちゃうぅううっーー!!」
何度も、何度も、終わる事の無い絶頂。
どれだけ絶頂を迎えても、薬が効いている間は満足する事は無かった。
今得た絶頂よりも、次の絶頂は更に深い快感を味わえるような気がした。
そして次の絶頂を迎える為だけに、狂ったように、腰を振り続ける。
これが、シャブの味を知った女の、SEXだった。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゅうぅ…。
性器がこすれる度に、白濁した愛液が淫らな音を響かせた。
そして淫らに震える陰唇から、新たな透明な液体が糸を引いて滴り落ちる。
「ほら、お前の亭主と比べて、どうなんだ?
どう違うのが、具体的に言ってみろよ!」
「おっ、大きいっ!主人のより、主人のより、ずっと大きいですっ!
大きくて、硬くて…すごく気持ちいいのおぉっー!」
「これ好きいっ!鮫島様の、大きくて硬いオチンポ…!
もっと、もっと礼子の淫乱オマンコ、めちゃくちゃに突いてくださいっ!」
夫や子供の前では決して口にする事が無い卑猥な言葉が、すらすらと出てきた。
「ああっ!礼子いきますっ!鮫島様のっ!鮫島さまのオチンポでいくのおぉっーー!
いくっ!いくぅっー!ああっ!鮫島様!鮫島様あぁっーー!」
それから、数時間が経過した。
だが、礼子の性欲は一向に衰えようとしなかった。
鮫島の肉棒にしゃぶりつき、咥え込み、その味を全身で味わった。
もう、どうなってもいい…。
礼子は鮫島に命令されるまま四つんばいになると、
尻を突き出し、背中を反らせた。
そして、肛門から2度目のシャブを注入された。
追い打ちは、1回目よりも快感が増した。
これで、再び最低でも3時間は正気ではいられない。
娘が帰ってくる時間と鉢合わせになる心配もあったが、
礼子には、もはやそんな事を心配する思考力も残ってはいなかった。
強制的に与えられる、問答無用の強烈な快感。
再び、あらゆる理性と倫理観を一瞬で吹き飛ばされた。
「いいか、完全に狂ったと思ったら、大声で"あひぃっ!"って言ってみろ。
もう、どうなってもいい、どんな命令でも、言う事を聞く。
だから、めちゃくちゃにして欲しいって思ったらだ。
お前が完全に堕ちた証として、大きな声で言うんだぞ!わかったか?」
「は、はいぃ…わ、わかりましたぁ…!」
短い時間に2度もシャブを打たれて、礼子は顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃに
しながら、鮫島の命令に応えた。
そして、その時は直ぐに来た。
足を思い切り開き、背中を大きく反らせる礼子。
「い、いくっ!いくうぅっ!」
「ああっ!だっ、だめっ!」
「だめっ!だめぇっーー!許してぇっ!」
「ああっ!!あひぃ、あひぃいっーー!!」
「あっひぃっーーーーー!!」
礼子は涙を流し、腰を激しく振りながら絶叫した。
大量の潮を噴きながら、卑猥な言葉をわめきながら腰を振り続ける礼子。
それは、鮫島への完全な服従宣言だった。
「ほら、お前は誰のものか言って見ろ!お前は、誰のものなんだ!」
「れ、礼子は…鮫島様の…、鮫島様のものです…!」
「じゃあ、亭主と別れるって言えっ!
ふにゃちん亭主と別れて、俺の女になるって言ってみろ!」
「ああ…は、はい、わ、別れます…!
主人と別れて、鮫島様の、おっ、女に…。
女になりますぅっ!」
頭の中が快感物質に浸りきった礼子には、もはや冷静な判断ど不可能だった。
ただ、このまま薬による強烈な快感を得続けたい、ただそれだけだった。
気が狂う程の、甘美な快感を…。
「ガキはっ!」
「ああ、こ、子供はぁ…!」
一瞬躊躇した礼子だったが、冷静に考える時間は与えられなかった。
その時、鮫島の腰がおもいきり打ち付けられた。
思わず、体を仰け反らせる礼子。
「ああっ!すいませんっ!捨てますっ!子供も捨てます!」
「じゃあ、俺の子供妊娠するか?」
「は、はいいぃっ!します!鮫島様の・・・鮫島様の、こ、子供…に、妊娠んんっ…!
熱い精液注ぎ込んで、鮫島様の子供、妊娠させてくださいっ!」
そこには、もはや家族思いの妻の姿は無かった。
ただ性欲を貪る、シャブに狂ったメスがいるだけだった。
鮫島は礼子の返事を聞き終えると、礼子の体をぎゅっと抱きしめ、
歯を食いしばって激しく腰を打ち付け始めた。
それに応えて、歓喜の声を上げながら体を揺さぶられる礼子。
取り返しのつかないその時は、すぐそこまで来ていた。