<陵辱 第9話>
ガス攻撃という奇策によって戦闘の火蓋が切られたこの戦いは、
短時間のうちに第7軍の圧勝で終わるかに見えた。
だが、その後の机上での戦闘は、決着の糸口すら見い出せていなかった。
夜が深まるにつれて外気は一段と低下したが、会談が行われている部屋の空気は
逆に熱を帯びつつあった。
帝国軍の無条件即時撤退を要求するニナ、そしてデイ・バレーの無条件降伏を
要求する第7軍の参謀達との会談は、全く噛み合わないまま平行線を辿っていた。
「何度でも言わせて頂きますが、
まずは、帝国軍によって今も行われている蛮行を、即刻中止することです。
でなければ、話し合いに応じることはできません。」
「そのような事が言える立場なのか!?そもそも、勘違いをしてもらっては困るっ!
これは話し合いなどと言うものではない!我々から、貴国への命令なのだっ!」
「その通りだっ!我々は完全に占領し、領主たる貴女は我々の手の内にある!
降伏文書にサインして、塔の全ての扉を開放する事が、貴女に残された最後の道だ!」
互いの威信をかけた、言葉の応酬が続いた。
だが、その内容はニナの方がより苛烈であった。
「立場をわきまえるのは、むしろ貴方たちの方です。
即刻、今行われている蛮行を中止して撤退するのであれば、我々はそれを許可します。
撤退する貴方たちを、後ろから追撃するような真似は致しません。
どうぞ、後ろを気にすることなく、撤退されれば良いでしょう。」
「撤退を許可だとっ!!
何故、占領軍である我々が、撤退などせねばならないのかっ!
ふざけるのも、いいかげんにしてもらいたいっ!!
第7軍8,000を相手に、この局面からいったいどうやって戦うつもりなのかっ!!」
確かに、常識的に考えれば参謀達の言うことはもっともだった。
神経ガスという特殊兵器で自国の兵士を無力化された上に、8,000人の兵士で
占領されているのだ。どう考えても、起死回生の策があるようには思えなかった。
しかし、第7軍側にも不安要素はあった。
それが、塔内部の突破出来ない扉の存在である。
帝国軍本部からのデーモン・ソード確保の命令の件もあって、どんな兵器が
隠されているかも知れない。ここで下手に出てそれを使われでもすれば、
第7軍は大損害を被る可能性もあった。
デーモン・ソードの噂と本国からの命令書さえ無ければ、とっくにニナを拷問に
でもかけて、塔内の全ての扉を開放させる所である。
少なくとも、噂だけならまだ無視する事もできた。
だが、その噂に妙な信憑性を与えてしまったのが、帝国軍本部からの命令書だった。
それにより、デイ・バレー側が何かしらの極秘兵器を隠しているのではないかという
疑惑に、拍車をかける結果となってしまった。何とも、皮肉な話である。
もし、デーモン・ソードの噂を流したのがデイ・バレー側であり、なおかつそれが
ブラフであったとしたなら、まるで情報戦によって帝国軍本部がデイ・バレー側を
利しているかのようでもあり、その事にも第7軍の参謀達は苛立っていた。
「目に見える戦力だけに惑わされると、後で痛い目を見ることになりますよ…。
大軍を有する事が、必ずしも有利に働くとは限らないのではないですか?
多くの兵を持つという事は、それを失うリスクも持つという事です。」
そして、ニナの言いようは、まるで帝国軍側の不安要素を見透かし、
巧みに利用しているかのように見えた。
「敗戦国の将に、戦略の手ほどきを受けるつもりは無い!
いい加減に、目を覚ましてはどうか!?
どう転んでも、デイ・バレーに現在の状況を覆す手立ては無い!!
即刻、塔内の全ての扉を開放し、降伏文書にサインすることだっ!!」
「敗戦?私がいつ、降伏を申し出ましたか?
我々は、まだ戦闘の只中にいます。交えるのが剣から交渉に変わっただけで、
未だ勝敗は決していません。そして、現在の攻め手は我々デイ・バレー側だと
認識していますが…。
第7軍は、大国の威厳を保っていられるうちに、軍を引いては如何でしょうか?
これは、私からの勧告です。」
両者一歩も譲らぬまま、時間だけが過ぎていった。
相変わらず澄まして平静な様子のニナ。
逆に第7軍の参謀達は、時間の経過と共に平静さを保つのが困難になってきていた。
だがその時、その均衡を破る可能性が、この部屋にもたらされようとしていた。
部屋の扉がノックされると、興奮した表情の帝国軍兵士が部屋に入って伝令書を読み上げた。
「報告します!先日、共和国領北部で交戦中の第3軍が、共和国第9師団を撃破!
第9師団はほぼ壊滅状態で、その後第3軍はトランを無血占領したとの事です!」
それを聞いて、「おおっーー」という安堵の声が第7軍の参謀達から漏れた。
これで、外部から第7軍を脅かす存在は皆無となった。
本格的な冬になる直前にトランとデイ・バレーという2つの橋頭堡を得ることになり、
帝国軍側にかなり有利な状況で冬を迎える事が出来そうである。
先程まで緊張に包まれていた参謀達の表情にも、笑顔が見られた。
だが、この時もローエンシュタインの視線の先にあるニナの表情に、
動揺は一片たりとも見られなかった。第3軍勝利の報に興奮する参謀達とは対照的に、
その透き通るような白い顔に、汗一つ浮かべていない。
懸念など全く感じさせない、余裕の表情であった。
ニナ・ローゼンバーグ、お前のその余裕の源は、いったい何なのだ。
答えは、あの向かいの塔にあるのか?
あの塔に、何かしらの超兵器、例えばデーモン・ソードが隠されているのか?
ローエンシュタインはニナの表情からそれを読み取ろうとしたが、
塔内の扉と同じく侵入は不可能だった。
だが、実はローエンシュタインには、デーモン・ソードの正体について、ある程度の
見当が付いていた。皮肉にも、それは今回の戦闘で第7軍が使用したガスである。
近年、帝国でも発掘が進んでいるハイ・エインシェントと言われている古代魔術の一種だ。
オーク兵団や、今回第7軍がデイ・バレー攻略で使ったガスも、これに含まれる。
また、ガスはデーモン・ソードの噂とも、特徴が一致した。
"死因は剣による外傷では無い"
"剣が効力を発した時、誰も抗う事のできない圧倒的な死が、周囲に与えられる"
"動物だけでなく、周囲の植物も枯れ、辺りは死に覆われる"
いずれも、ガス攻撃の特徴である。
"デーモン・ソード"とは、毒ガス兵器のペットネームの可能性があった。
第7軍が使用したものは一定時間体を麻痺させるものだったが、恐らくデイ・バレーに
あるのは、致死性の毒ガスだと考えられる。
この白い塔の構造からしても、毒ガス製造の為のプラントと考えれば、納得がいく。
深い谷底に建設したのも、毒ガスが漏れた場合の被害を軽減する為だろう。
今回の戦闘は、ガス対決だったという訳だ。
そして、ニナの言うように、今の攻め手は、デイ・バレー側である。
同席する参謀達にも、薄々はそれが分かっているのだろう。
この状態で致死性の毒ガスを散布されれば、第7軍は消滅する。
帝国軍兵士8,000名の命がかかっているのだ。
ガス攻撃で都市を占領しておきながら、逆にガス攻撃の危険に晒されようとしているとは、
滑稽な話である。
だが、気になるのは帝国軍総本部からのデーモン・ソード確保の命令書だ。
あの命令書は、間違い無く本物だった。
毒ガスは確かに有効な武器であり、ハイ・エインシェントの一部ではあるものの、帝国では
既に発掘済であり、共和国側でも発掘が進んでいるという。
今更、毒ガス兵器を入手しろという命令も、理解しがたい。
ひょっとすると、帝国軍本部は、何か重要な情報を掴んでいるのか…
手っ取り早いのは、ニナを拷問にでもかけて塔内の全ての扉を開けさせる事だが、
それが毒ガス散布の引き金になるとも限らない。
今は、分厚い金属製の扉に阻まれた塔内の調査が、何よりも優先された。
デイ・バレー側の切札が何か分からない間は、下手に刺激することは出来なかった。
部屋の空気が、喧騒と焦り、そして言いようのない不安で満たされようとしていた。
そして、上層部の人間達が机上で激突している間、デイ・バレーの女たちは
陵辱の限りを尽くされていた。明かりの灯ったどの家屋からも、女の悲鳴と喘ぎ声が
聞こえてきた。
そこには、母親も、兄妹も、娘もなかった。
ただ、年頃の女というだけで、等しく陵辱の対象となった。
両足を大きく、蛙の足のように卑猥な形に開いたガブリエラの肉体を、男の肉棒が打ち抜く。
その柔らかな身体は男が腰を深く打ち付ける度に伸縮し、全体でその衝撃を受け止めた。
パン、パンッ、パン、パンッ
グチュ、グチュ、ブチュ、グチュッ
打ち付けられる肉が出すパンパンという乾いた音、そして性器が擦れ合うグチュグチュという
粘着質な音が、ベッドのギシギシと軋む音と共にオレンジ色のランプで照らされた室内を満たす。
そして、男の腰の気まぐれな動きに合わせて、哀れな女は快感の声を漏らした。
「はぁあァあぁっ!ああっ!あんっ!あっ、ああっ!!あああっーーー!!」
薬の効果で発情しきったガブリエラの反応に、声に、そして何よりもメスの匂いに、
興奮したオス達が群がる。部屋全体が、メスとオスの性欲の匂いに満たされていた。
男はそれまで深く挿入していた肉棒を手前まで引き抜くと、
膣の浅い所で亀頭をゆっくりと入れたり出したりする事を始めた。
ランプの明かりの中、引き抜かれた肉棒は透明な糸を引きながらぬらぬらと光る。
そして、性器が擦れ合う所では粘液の一部が白濁化して、泡立っていた。
くちゅぅ…
そして肉棒の先端を一旦完全に引き出すと、再びゆっくりと熱い蜜壷に沈めてゆく。
だが、完全には挿入せずに全体の3分の1程を挿入すると、再び抜くのを繰り返した。
ぐちゅうぅっ…
完全に火の付いた蜜壷の浅い所で、生殺しのように肉棒が前後する。
ガブリエラは肉棒が自分の性器を押して、そして割って入ってくる時の挿入感が
たまらなかった。そして逆に引き抜かれる時は、何とも言えない切なさを感じた。
それを何度も繰り返されるうちに、引き抜かれる時の切なさが、強烈な喪失感となって
ガブリエルを襲った。
「あっ!あぁ…、くうっ!ああ…」
無意識のうちに膣全体がギュウウゥゥッと収縮し、愛液にまみれた硬い肉棒を
必死で掴んで離さないようにしようとする。
だが、無情にも固くて太い肉棒は引き抜かれてしまう。
肥大した肉棒の先端のカリが、熱く熱せられた膣壁から染み出る愛液を掻きとり、
膣壁をガリガリと引っ掻きながら。
ついに膣の周りの筋肉が痙攣を始め、それにつられて太ももまでが、
ブルブルと震え始めた。
別の男が、汗の浮いた乳房に手を伸ばした。
白くて柔らかな乳房に手を這わせ、乱暴に揉みしだく。
そして乳輪まで固く勃起した乳首を親指と人差し指でぎゅっと捻り上げると、
ガブリエラは、たまらず声を出した。
「あうぅっ!!あああっーーっ!!」
ひねり上げられ、ビンビンに固くなったガブリエラの乳首を、
更にぎゅっと捻り、強く引っ張った。
「ひっ!いいいぃぃっーーー!!」
固くなった乳首を千切れんばかりに引っ張られ、ガブリエラは悲鳴に似た声を上げた。
その痛みと強烈な快感に、下腹部がキュウゥっと痺れるような感じがする。
そして、がくがくと太ももを震わせ、その次の瞬間には我慢できずに尿を漏らしていた。
皺になった白いシーツの上に、大きな染みが出来上がった。
「おいおい、こいつ小便漏らしやがったぜっ!相当、気持ちよかったみたいだなっ!
娘の目の前で小便漏らした感想はどうだ?興奮したか?」
ガブリエラは尿を漏らした事を大声で言われて、頭の中が真っ白になった。
羞恥心が、爆発しそうになる。そして、その被虐の感情は全て逆らう事の出来ない
強烈な快感へと転化されていった。
胸の奥の方から来るゾクゾクした緊張感と共に、頭がおかしくなりそうな程の快感が
ガブリエラを襲った。
ああ…だめっ!もう、我慢できないっ!!
欲しいっ!欲しいのっ!ダメ、ああっ!頭が…頭がおかしくなるっ!!
もう、何も考えられない…!
「だ、だめぇっ!もう、もう我慢できないっ!!
欲しいっ!欲しいのぉっ!ああっ!お願いだから、奥まできてえっ!」
ガブリエラはそう絶叫すると、
両手を膝の後ろに回して、自分の足を左右に思い切り開いて見せた。
挿入されている肉棒が丸見えになり、白濁化してどろどろの愛液が、
結合部分にべったりとこびりついているのが見えた。
「あ~あ、恥ずかしい母親だなぁっ!」
「娘の前で、自分から足広げやがったぜ!丸見えだ!
ほら、愛娘がお前の痴態を見てるぜ!」
何を言われても、もうガブリエラには関係無かった。
もう、どんなに恥ずかしい思いをしてもいい。
ただ、奥まで突き入れて欲しい。
それだけだった。
その時、泣きはらした顔をした娘と目があった。
娘が何か言おうと、口を動かそうとする。
それを見て、ガブリエラはぎゅっと目をつぶった。
両手に力を入れて、更に両膝を手前に引き寄せる。
そして、声を震わせ、涙声で懇願した。
「もう、どうでもいいのっ!娘の前でも何でもいいから、
お願いだから、思いっきり犯してぇっ!!」
「この体、早くめちゃくちゃにしてぇっーー!!」
そこには、娘の目の前でめちゃくちゃに犯される事を懇願する、
淫乱で恥知らずで、
哀れな女がいた。