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SM小説 被虐願望

人格を無視した性欲処理の道具として、 奴隷として、めちゃくちゃに犯されたい… 。

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SM小説-調教-第5話

<調教 第5話>

連続で絶頂を味わい、恍惚の表情でベッドに横たわる由佳。
白く柔らかな肉体を薄っすらと汗が覆い、淡い光を放っている。
焦点の定まらない視線、薄く開いたままの唇…。
由佳の頭の中は快感物質で埋め尽くされ、全身が脱力しきっていた。

だが、本当の調教はこれからだ。肉体的な責めなど、調教のほんの一面でしかない。
精神的な屈服こそ、俺の望むものだ。
俺はベッドの上で恍惚の表情を浮かべ、今だ快感覚めやらぬ由佳の腕を掴むと、
ベッドから無理やり床に引きずり降ろした。

「ほら、床に正座しろっ!」

床の上に全裸で投げ出された由佳は、慌てて正座をする。
膝をぴったりと合わせ、手は指先を揃えて太ももの上だ。
そして、これでいいですかと問うような視線を俺に向ける由佳。
同時に、これから何をされるのか分からず、怯えた表情を見せる。

「お前は、俺と女生徒が仲良く話しているのを見て、嫉妬したと言っていたな?」

「…はい、そうです。」

由佳がそう返事をした瞬間、俺は足元で正座をする由佳の頬を平手打ちした。
パシイィッという頬を打つ音が部屋に響き、由佳は体制をくずして手を付いた。
俺は由佳の髪をわしづかみにすると、顔を上に向けてやる。
怯え、目には涙を貯めて今にも零れ落ちそうである。いい表情だ。

「おい、お前は奴隷という立場をわきまえろよ。俺が何人の女と寝ようが、
奴隷に過ぎないお前には、一切関係の無いことだ。身の程を知れっ!」

「…はい、申し訳ありません…御主人様…。」

ようやく素直になってきたようだ。だが、まだ不十分だ。
こうゆう生意気な女には、自分が最底辺の存在だと思わせてやる必要がある。
その為には、自分よりも年下の者や同性から辛い仕打ちを受けるのが効果的だ。
実はこのアイデアは以前からあった。いよいよ、それを実行に移す時が来たようだ。

「お前が気にしている女生徒は、西園寺萌絵だろう?
ぶっちゃけた話をすると、確かに西園寺は俺の可愛い奴隷だ。それは認めよう。
だがな、奴隷にもそれぞれランクってものがある。お前は、明らかに西園寺より格下だ。
いいか、はっきり言うと、お前は俺の奴隷の中でもぶっちぎりの最低ランクだ。
お前みたいな屑が西園寺に嫉妬するなんて事は、本来あってはならない事だぞ。
これからは西園寺の言う事も聞いて、少しでもマシな奴隷になれっ!わかったな?」

しばらく返事の出来ない由佳。由佳の俺を見る目が、信じられないと言っている。
さすがにこれは効いたようだ。何しろ、これからは自分の生徒の命令にも従わなければ
ならないのだから。しかも、相手は17歳の女生徒だ。教師と生徒の関係が逆転する上に、
同性の若い娘の奴隷になるという事に、強い屈辱感を感じるはずだ。
萌絵に叱責されている由佳を想像して、俺はほくそ笑んだ。

「あ、あの、それは、どういうことですか…?
私が…教師である私が、生徒の西園寺さんよりも格下って…どういうことですかっ…?
それに、これからは西園寺さんの言うことも聞けって…いったいっ…。」

突然、取り乱し始める由佳。
萌絵の事には気づいていたものの、どうやら自分の立場までは理解していなかったらしい。
俺は再び由佳の頬にビンタをくれてやった。体制を崩し、裸体を横たえる由佳。
そこにすかさず頭を踏みつけ、言葉の暴力を浴びせてやる。

「どういうことも何も、その通りだろうがっ!お前は今日から西園寺の奴隷にもなるんだ!
もうお前達は、教師と生徒の関係じゃない!奴隷と主人の関係だ!
西園寺の命令は何でも聞いて、言われた通りにしろ。
そして、一日でも早く一人前の奴隷になれ。
それが出来ないというのなら、もうお前はゴミ箱行きだっ!二度と抱いてやらんっ!」

それを聞いて、絶望した表情でさめざめと涙を流す由佳。
だが、どれだけ泣いたところで許してやるつもりは無い。
由佳にも、それは十分かっていた。もはや、選択の余地は無いのだ。
両手で涙をぬぐいながら子供のように泣いた後、由佳は完全な敗北宣言をすることとなった。

「わ、わかりました…。御主人様…。」

由佳は両手を付いて深々と頭を下げると、背中を震わせながら嗚咽を漏らした。
これから同姓の教え子より受ける辛い仕打ちの事を思うと、由佳の体はがくがくと震えた。
酷い…。御主人様だけでなく、女生徒の奴隷にもさせられるなんて…!
それも、最近御主人様と仲が良い、西園寺萌絵さんの…。

あの娘にしてみれば、私の存在は沢村先生を独占するための障害以外の何物でもない。
きっと、酷い仕打ちをするに決まっている…。それに、あの娘…可愛いのに、時々怖い顔を
することがある…。あの娘は単に可愛いだけじゃない。何かこう…自分とは違う圧倒的な
"強さ"のような物を感じる…。由佳の危機を感じる本能が、萌絵の本性を敏感に感じ取っていた。

震える由佳を見て、俺は大いに満足した。これで由佳が萌絵に屈服すれば、俺と由佳の関係は
2段階の格差となる。俺の奴隷である萌絵の、更に奴隷となるからだ。
そうなれば、こいつも俺に口答えしたり職員室で俺に恥をかかすようなことも無くなるだろう。
女生徒に調教される、女教師か…。萌絵に調教された由佳が、どうなるか非常に楽しみだった。

萌絵と由佳は二人とも俺の可愛い奴隷だが、その資質は根本的に異なっていた。
由佳はマゾヒスト以外の何物でもないのだが、萌絵はマゾであり、サディストでもあった。
その割合は半々であるが、両方が不完全というわけでは無い。むしろ、完全なマゾであり、
完全なサドなのだ。しかも、その完成度はある意味俺が畏怖を感じる程だった。
萌絵は、俺がたまたまサディストであるがために、マゾヒストを担当しているに過ぎない。

相手がマゾヒストになれば、とたんに残酷で容赦ないサディストとなり、相手を打ち据え、
破壊し、完全に支配するだろう。そして、その責めは恐らく俺の想像を超えると思われる。
もしかしたら、それによって由佳は取り返しの付かない精神崩壊を起こすかもしれない。
だが、それだけにその封印を解いてみたい気もするのだ。
そして、壊れる由佳を見てみたかった。美しい女教師が、美しい女生徒に壊される所を…。

あいかわらず、這いつくばって泣いている由佳…。
時々引き付けを起こしたかのように、ひっ、ひぃっと呻きながら泣いている。
いつまでもめそめそと泣いている由佳を見ているうちに、だんだん腹立たしくなってきた。
この女は、こういう女なのだ。端的に言うと、「虐めたくなる女」だ。
こうしていつまでもぐずぐず、うじうじしている姿を見せられると、尚更虐めたくなる。
そこで、俺は最後のお仕置きをくれてやることにした。

「おい、由佳!最後にキツイお仕置きしてやるから、こっちに尻を向けろっ!」

そう命令すると、由佳はのそのそと反対側を向いた。そして肘と膝を突いて四つんばいに
なると、肛門が天井を向くほど背中を反らし、膝を大きく開いた。
素直に言うことを聞く由佳。完全に観念しているようである。
剥き出しの性器と肛門を凝視すると、俺はそのまま2歩後ろに下がった。
そして…。

グッッパアアアアァァーーーンッ!!

「っくううぅぅっーーー!!」

由佳の肛門目掛けて、最後のサッカーボールキックをくれてやった。
それも、ゴールキックなみのキツイのを。
むき出しにされた肛門を直撃され、その衝撃は体を通って頭の先端まで届いた。
由佳は喉を絞るような声を上げながら前のめりに倒れると、足を蛙のように開いたまま、
無様な姿で動かなくなった。これは相当効いたらしい。
だが、由佳の醜態はそれだけで終わらなかった。

ッシャアアァァッーー

失禁である。
肛門を強打したことにより下半身の感覚を一瞬失った由佳は、排尿を止める事も出来ない。
尿はしぶきを上げながら、勢いよく出続けた。
由佳がうつ伏せに倒れたカーペットに、大きな染みが広がってゆく。

「ちっ、汚しやがって…。罰として、今日は部屋に帰ったら、玄関でオナニーしろ。
鍵は掛けずにな。もちろん、全裸でだ…!命令だぞ!」

尿を垂れ流しながら泣いている由佳を見下ろしながら、俺は最後の命令を告げた。
といっても、部屋まで付いて行くわけでは無いので、もちろん確認する方法は無い。
だが、この女はきっと言いつけを守って玄関でオナニーをするだろう。
そして、命令に従わざるを得ない惨めで哀れな自分に酔うことになる。
俺は全裸で無様に横たわる由佳を置いて、部屋を出た。

沢村が部屋を出て行き、一人残された由佳。
しばらくそのままの格好で泣いていたが、10分程してようやく立ち上がると、ぼんやりした
表情でバスルームへと向かった。

それから、マンションへ帰ってくるまでの記憶は曖昧だった。気づいたら、部屋の前で鍵を
取り出していた。それと同時に、先ほどまでの記憶が徐々に蘇ってくる…。
そうだ…私、御主人様とホテルで…。それから、最後に何か命令されて…。
その瞬間、一瞬にしてその時の記憶が蘇った。無様に尿を漏らしながら泣いている自分…。
言い放たれる沢村の命令…。部屋の扉を開けた瞬間、全てが思い出された。

由佳は扉を閉めるなり、鍵も掛けずにその場で服を脱ぎ始めた。
興奮で服のボタンを外す指が震えた。玄関という外部と扉一枚で隔たれた場所で、一枚づつ
肌を覆う布を取り去ってゆく由佳。脱いだ衣類は無造作に玄関の床に捨てられてゆく。
そしてブラジャーを外すと、最後の一枚も躊躇無く脱ぎ捨てた。
玄関という外部と薄い扉一枚を隔てただけという環境が、由佳を興奮させた。

由佳のマンションは3LDKであり、玄関は比較的広かった。
全裸でコンクリートの冷たい床に仰向けになると、両足を大きく開いた。
そして左手で乳房を強く揉みしだき、右手の指ははずぶ濡れの割れ目に挿入した。
右手の中指と薬指の2本が、難なく割れ目に吸い込まれて行く。
くちゅっといういやらしい音を立てながら…。

私、玄関で全裸になって…こんなっ…恥かしい格好で…!
命令に従ったかどうかなんて、確認する方法なんて無いのに…。私っ…どうしてっ…!
鍵の掛かってない玄関で…全裸で、こんなに大きく足を広げてっ!
だめ、もう止まらない…ああ…恥かしい…私、すごく恥かしい事してる…。

もし、今この扉を誰かに開けられたら…。
もし、西園寺さんにもオナニーするように命令されたら…。
そこまで考えると、体の奥底からゾクゾクした感覚が這い上がってきた。
由佳の蜜壷の奥から、新たな熱い蜜がどっと溢れ出す。

だめっ、い…く…。いっちゃう…。
玄関で…。玄関で全裸オナニーして…いっちゃう…。

足は限界まで広げられ、片足が玄関の扉に掛かっている。
ずっぷりと挿入された2本の指が、びしょ濡れの割れ目を激しくかき回す。
それに連れて、性器が出す卑猥な音が玄関に響いた。2本の指に力が入る…。

ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐっちゅううぅぅっっーー

「だ、だめっ!いくっ!いくうぅっ!玄関で…全裸オナニーでいくっ!
いくっ!いくぅぅっーー!ああっ!ごっ、御主人様ああぁぁっーーー!!」

外まで聞こえるような大声を出しながら、腰を激しく振って全身を痙攣させる由佳。
マゾヒズムという甘美な快楽に浸りきった、哀れな女がそこにいた。
[ 2011/12/17 23:29 ] 調教 | TB(0) | CM(0) | [編集]

SM小説-調教-第6話

<調教 第6話>

翌日、由佳は憂鬱な気分で登校した。
蹴られたお尻が、まだ少しズキズキと痛む。
それに、何よりも沢村に言われたことが気になった。

"お前は今日から西園寺の奴隷にもなるんだ!"
"西園寺の命令は何でも聞いて、言われた通りにしろ。"

その言葉が、頭の中で何度も繰り返されていた。
私は、これからどうなってしまうんだろう…。
校舎に向かってとぼとぼと歩く由佳に、元気な声で挨拶をする生徒がいた。

「石神先生っ、おはようございまーす!」

今の由佳とは対照的に、明るくて飛び跳ねるような元気な声。
声の主は、何とあの西園寺萌絵だった。
由佳は一瞬身構えたが、萌絵のいつもと変わらない元気で明るい表情を見て、
慌てていつもどおりに挨拶を返した。

「お、おはよう、西園寺さん。」

萌絵はにっこり微笑むと、由佳を追い越して校舎に入っていった。
それを見て、由佳は少しほっとした。
特に、何も変化はなさそうだ…。まだ、沢村から昨日の話を聞いていないのか…。
それとも、彼女自身にそんな指示に従うつもりは無いということなのか…?
由佳は戸惑ったが、少なくとも萌絵の表情に敵意は感じられなかった。
私…彼女の事を誤解していたみたい…。由佳はそう考えると、少し気持ちが明るくなった。

職員室の自分の机の上に鞄を置くと、隣の沢村の席には相変わらず山のように資料が
積まれていた。由佳は見て見ぬ振りをして席に着くと、沢村が昨日の事など無かったかの
ように明るい声で挨拶をしてきた。

「おはようございます、石神先生。すいませんね、机の上まだ片付いてなくて…。」

言葉と表情は済まなさそうにしてるが、その目には全くその様子は感じられない。
昨日の由佳の言動に対する、嫌味のようだ。沢村は片目を細めて由佳の顔を覗き込んだ。
由佳は視線をそらすと、小さな声でそれに答えた。

「い、いえ…。いいんです。私こそ、昨日は言いすぎました。すいません…。
机の上の資料は、そのままで結構ですから…。」

それを聞くと、沢村は満足したようだった。
にっこり微笑んで席に座ると、授業の準備を始めた。
由佳は教科書とノートを掴むと、沢村から逃げるように席を立とうとした。
とその時、沢村から声がかけられた。

「あ、そうそう、石神先生…。昨日のこと、ちゃんと西園寺に伝えておきましたから。
後のことは、よろしくお願いしますね。」

由佳は、一瞬体が硬直した。
他の教師が今の話を聞いたとしても、何でもない教師間の連絡のように聞こえただろう。
だが、それは沢村から由佳への冷酷な通告だったのだ。
もちろん、由佳にはその意味が正確に伝わっていた。
やっぱり…もう西園寺さんには話してあるんだ…。だとしたら、今朝の彼女は…。
由佳は混乱したが、そのまま何も言わずに職員室を出てしまった。

そして、その日は6時間目が終了するまで何事もなく平穏に過ぎていった。
萌絵のクラスの授業もあったが、特にいつもと変わった様子は感じられなかった。
やはり、萌絵は沢村の命令に従うつもりは無いようだ。ほっと胸を撫で下ろす由佳。
そうだ、生徒が教師を奴隷にするなどと…。そのような事が有り得るはずが無い。
それも、萌絵のような優秀で美しい生徒が。

由佳が職員室に戻ると、隣の席に沢村の姿は無かった。
鞄も見当たらないので、既に帰宅したようだ。
そして、ふと自分の机の上を見ると小さな付箋紙に4桁の番号が書かれて貼り付けてあった。
これは、当然ながら沢村からの呼び出しを意味していた。
それを見た瞬間、由佳の頬は高潮し、心臓の鼓動が早くなった。

昨日に続いて…今日も、してもらえる…。
調教を、2日続けて受けられるなんて…。嬉しい…。
もう、沢村先生…いや御主人様は部屋でお待ちなのか…。
早く、早く会いたい…そして、いっぱい可愛がってもらいたい…。
私をめちゃくちゃに虐めて、支配して欲しいっ…!

由佳はその付箋紙を手帳に挟むと、急いで学校を後にした。
そして、由佳と沢村が会うときは決まって利用する、駅前のホテルまで急いだ。
ホテルに着くと、ロビーを抜けてエレベーターに乗った。
扉が閉まり、上昇を開始するエレベーターの中で、由佳は思わず胸に手をやった。
淫らな期待で心臓がドクンドクンと強く鼓動している。
そして、大きく張り出した乳房の上で、乳首が硬くなっているのが分かった。
もう、我慢できない…。手を股間に這わせようとした時、エレベータの扉が開いた。

到着のベルと共に扉が開き、慌てて身なりを直す由佳。
そして、緊張した足取りで目的の部屋を目指した。
手帳を開いて何度も部屋番号を確かめると、控えめにノックした。
しかし、返事が無い。もう一度、今度は少し強めにノックしてみる。
だが、全く返事が無い。もしかして、まだ到着していないのか…?
だが、ドアノブを回して押し込むと、それは難なく開いた。

部屋は真っ暗だった。
鍵も閉めずに、どこかへ買い物にでも行ったのか…?
由佳は不思議に思いながらも、部屋の明かりを点けながら部屋の奥へと入っていった。
だが、誰もいなかった。部屋は空っぽである。期待していただけに、少々拍子抜けした
由佳だったが、しばらくここで待つことにした。これから受ける責めについて想像を
めぐらすのも、いいかもしれない。

由佳はベッドの上に腰掛けると、太ももを擦り付けた。
昨日、ここでされたことを思い出すだけで、あそこが濡れてくるのが分かった。
自然と足が開いてゆき、さきほどエレベーターの中でお預けをくった股間に手を伸ばした。
下着の上から、股間をまさぐる。足は限界まで大きく開かれ、つま先がピンと伸びている。
ああ…御主人様…。早く…。昨日みたいに、無様な姿を御主人様に見ていただきたい…。
御主人様にお尻を蹴られて…お、おもらししちゃうなんて…私…。恥かしいっ…!

と、その時!
ガチャッという部屋の扉が開く音がした。沢村が帰ってきたのだ。
由佳は慌てて股間に這わせていた手を引っ込めると、スカートを直した。
頬が少し熱い…。やだ…待ちきれなくて、オナニーしてたのがばれるかも…。
由佳は高潮した頬に手をやりながら、立ち上がった。
だが、入ってきた人物の声は沢村のものでは無かった。

「おまたせー!先生っ!」

明るくて、飛び跳ねるような元気のいい声。
そう、西園寺萌絵だった。予想外の人物の登場に、驚く由佳。
だが、それは萌絵も同じだった。由佳を見て、びっくりした表情をしている。
大きなくりくりとした目をいっぱいに開いて、由佳を凝視した。

「なんで、石神先生が…。」

「西園寺さん…。」

動揺して、それ以上何も言えない由佳。
だが、萌絵は最初こそびっくりした様子だったが、直ぐに要点を得たという表情になると、
鞄をテーブルの上に置いた。そして由佳をじっと見つめる。
足のつま先から、頭のてっぺんまで…。由佳はその視線がまるで自分の心の中まで見透
かそうとしているように感じた。由佳は、その時になってようやく沢村に嵌められた事に
気づいた。

1日たっても何も行動を起こそうとしない西園寺さんに、業を煮やしたってこと…?
それで、無理やり二人を会わす事にしたってことなの…?
由佳はようやく沢村の意を理解した。しかも、この状況は最悪である。
恐らく、彼女は自分と同じくかなりの期待をして来ている。ところが、そこにいたのは
大好きな沢村先生ではなく、今や邪魔者の自分である。この事がどういう結果をもたらすかは、
想像するまでも無い。案の定、いつも元気で笑顔の耐えない萌絵は、心中穏やかでは無かった。

石神由佳…。
昨日といい、今日といい…。2度までも私と沢村先生が会うのを邪魔するなんて…。
それも、2日連続でっ!ちょっと美人だからって…先生だからって生徒より偉いってわけ…?
それにしても、沢村先生も意地悪なんだからっ!私が石神先生を奴隷にすることを渋ったから
って、こんな事までするなんてっ…!でも、もうここまで来たら引き返せないっ…!
御主人様も、それをお望みだわっ…!それに何より、今の私の心を静めるためにも…。

「石神先生…。私はあんまり乗り気じゃなかったんだけど、どうやら避けては通れないみたい。
沢村先生…、いえ、御主人様のご命令なら、しかたがないわ…。」

いつもと異なり、能面のような表情で言い放つ萌絵。強い意志が感じられる。
それを、怯えた表情で聞く由佳。

「あ、あの、西園寺さんっ!私の話を聞いて。落ち着いて、落ち着いて話し合いましょう!
頭のいいあなたなら、話し合えば理解できるはずよ。お願い、話をさせてっ!」

「沢村先生が授業中に言ってたわ…。他国の侵略を受けた場合、話し合いなんて何にも
ならないって。侵略する国は相当な覚悟を持ってしかけてきている訳だし、軍事的にも勝算が
あるから侵攻してるんだって。つまり、侵略者に話し合いは不要…ってこと。
で、石神先生には、勝算があるの?確かに先生は美人だけど…。私は負けないわ…。」

「そ、そんなっ!私とあなたは、教師と生徒の関係なのよっ!」

それを聞いて、ふっと笑みを見せる萌絵。だが、その笑みはいつもの明るい笑みでは無かった。
そこには、嘲りと深い失望が見て取れた。

「あなた…何も分かってないのね…。御主人様に、昨日何て言われたの?
私の言うことは、何でも聞くように言われなかった?まさか、御主人様のいいつけが守れない
とでも…?私には、そのことを御主人様に言いつけることだって出来るのよ?」

それを聞いて、由佳の足はがくがくと震えた。何も言い返すことが出来ない。
今、目の前にいる少女は可愛い姿をしているが、実は自分を破滅させることだって出来るほどの
力を持っているのだ。もし、御主人様に嫌われたら…そう考えただけで、由佳は目の前が
真っ暗になった。どうやら、この少女の言うことを聞くしかないようだ。
萌絵は部屋の中央で腕を組むと、既に最初の命令を考えていた。

「そうね、とりあえず…。」

最初の命令が発せられるまで、短い時間だったが由佳にはとても長い時間に感じられた。
これからこの少女が言うことが、全てなのだ。逆らえば、破滅が待っている。
そして、いよいよ最初の命令が言い渡されることになった。

「私の足元に、跪きなさい。土下座するのよ…。」

それは、目の前の美少女から発せられたとは、とても思えないものだった。
[ 2011/12/17 23:30 ] 調教 | TB(0) | CM(0) | [編集]
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